【詩】僕は誰かに殺される

<僕は誰かに殺される>


廻り廻って、

みんな誰かに殺されるんだ

被害者であり

加害者であり

人のせいにするな

そう言うかもしれないけど

でも確かにそれは

誰かのせいに違いないんだ

役割は交換される

無自覚に犯される

過去から刺される

未来から撃たれる

犯人は誰だ?

僕は責めるだろうか

僕は赦せるだろうか

最期のときに


(詩/早乙女ボブ)

【詩】透明のねこ

<透明のねこ>


買った記憶も
貰った記憶も
拾った記憶もない

それもそのはず
目に見えるねこではない

せめてねこぐらいは居てほしい
そうした寂しい願望の下
脳内に作り出された妄念だから

若いめすねこの白い柔毛はふわふわ
ところどころに黒いぶちがある

愛嬌があるというよりも
クールなのだけど
たまに甘えてくる仕草が
堪らなく可愛らしいんだ

それはまあ確かに
本物を飼いたいところなのだけれど
残念ながら僕はアレルギー持ちだし
安アパートはペットの飼育禁止

慢性的に僕を脅かし続けていた
孤独病も今は消え去って
穏やかな毎日

餌も不要で経済的
おすすめするよ


(詩/早乙女ボブ)

【詩】世界ビデオ

<世界ビデオ>


喜んだり悩んだり
悲しんだり怒ったり
恋をしたり失ったり

いつもドタバタ大騒ぎしているけど
一本のテープに記録されたイメージ

だから
早送りだって
巻き戻しだって
停止からの再生も

共有と専有は相矛盾せず
デッキに入れて操作さえすれば
お安い御用で
自分だけの時間軸の中で
幾らでもやり直せるんだ

だけど
記録媒体の外へ出ることは不可能で
何度も何度も同じ内容を
リプレイすることになる

筋書きや登場人物だって変わらない
テープが摩耗して切れてしまうまで
ぐるぐるぐるぐる
廻って生き続ける

僕らは
ビデオ世界の住人だから
気付かないふりで
ずっと


(詩/早乙女ボブ)

前橋ポエトリーフェスティバル2019に参加して。

「前橋ポエトリーフェスティバル2019」という
イベントに参加しました。

少し遠方ということもあり、
会期中の各種イベント等には行けませんでしたが
(私は神奈川県横浜市在住なので)、
仕事の休みを取れた日に
実際に楽しく展示を拝見することが出来ました。

私は詩を書き始めて半年ほどで、
正直まだまだ詩作について手探り状態ですし、
現代詩の歴史も勉強している最中です。

そんな初心者が出品者として参加していいものか、
ちょっと迷いましたが勇気を出して応募しました。

街の中の各所(屋外も多い)に詩を貼り出す、
詩と写真のコラボレーション、
会期中にはトークなどイベント盛りだくさん。
詩というと静的なイメージがありましたが、
かなりアクティブですね。

前橋という街は初めて訪れたのですが、
時間の許す限り歩き回ってみました。
昭和の香りの色濃く残る商店街や飲み屋街、
どこか懐かしい気持ちになりました。
その日は結構気温が高かったのですが、
広瀬川沿いの木蔭を歩く気持ちよさは格別。

そして、
話には聞いていたのですが、
文化施設の充実度には感動しました。
前橋文学館やアーツ前橋など、
建築も内装も企画内容も素晴らしい。

モリモリしたハイパーなエネルギーが溢れる、
という感じではない街かもしれませんが(失礼)、
時間をかけてじっくり文化芸術を育て、
寄り添い暮らしていく意識を感じました。

今回は駆け足での数時間の滞在でしたが
次はもう少しゆっくり過ごしたいですね。
好きな街がまたひとつ増えました。

美しい写真作品で私の詩とコラボレーションして下さった、
詩人・元ヤマサキ深ふゆ様、
詩人で芽部代表の新井隆人様をはじめ運営の皆様、
大変お世話になりました。
ありがとうございました。

芽部(前橋ポエトリーフェスティバル、ネコフェス等)
http://mebu-maebashi.com/

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『アパートメント』(散文詩)

『アパートメント』


かつて住んでいた街。電車を降り、ホームから階段を登って改札、駅前通りに立った瞬間に押し寄せる感情。その波は一体何なのか、郷愁なのか喜びなのか、切なさなのか。旅情にも近い。変わったもの、変わっていないもの。自分が住んでいたアパートはまだそこにあった。今では違う人間が日々の暮らしを送っている。ベランダに干された洗濯物、エアコンの室外機のたてる音。レースのカーテン越しに見える、蛍光灯の白い人工的な光。この肉体も精神も確かにその空間に存在していて、食べて飲んで眠って排泄していた、生活をしていた。新鮮さは次第に失われ、怠惰に飲まれていった日常。友人のアパートメントは、瀟洒な住宅に変わっていた。


早乙女ボブ

佳作。

雑誌「詩と思想」6月号(2019年)の
読者投稿で佳作をいただきました。
詩作については悩むことも多いのですが、
とても励みになります。
今後もしっかり精進しようと思います。
ありがとうございました。

「詩と思想」
土曜美術社出版販売
http://userweb.vc-net.ne.jp/doyobi/index.html

念の強さ。

いつからか、
自分の念がなかなか強いことに気が付きました。

それが良いほうへ向かえばいいのですが、
良くないほうにも向いてしまうという。

例えば、こっちに意地悪をしてきた人を恨むと
その人が病気になったり、とか。
あまりに影響が強く出ると、
自分自身でも恐ろしくなるくらいです。

しかし、そういう人は他のところでも
ひどいことをして恨みをかっていると思うので
私ひとりのせいとも言い切れないですが。

最近になって、これはまずいな、と。
いつかとんでもないしっぺ返しが来そうで。

そこでふと思ったわけです。
念が強いのならば、素敵なことに使ったほうがいいと。
当たり前といえば当たり前なのですが、
今までそんなにちゃんと考えていなかったんですよね、
その辺。

まずは他人より自分。
自分が良い方向に行けるように。
きっといいことある!
そんな風に念じてみようと。

人間、悪いほうへ流れるのは楽なんだと思います。
上るより下るほうが。
そのほうが効果も出やすいのかな、と。
分かりやすいというか。
上を見て、登っていくのは大変です。
しかし、その意志がきっと大切なんでしょうね。

そんな感じでちょっとずつやっていければ。
意識改革なんて大層なものではないですが。
無理せず。

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