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【詩】茶柱を燃やせ

<茶柱を燃やせ>


茶柱が立ったら

すぐ燃やせ

そんなものは燃やせ

濡れていても燃やせ

茶に油を注いで燃やせ

一本一本燃やせ

まとめて燃やせ

寝てても燃やせ

立ってなくても燃やせ

燃えなくても燃やせ

燃えていたらもっと燃やせ

灰になっていても燃やせ

幸福でも燃やせ

不孝でも燃やせ

茶柱が立ったら

すぐ燃やせ


(詩/早乙女ボブ)

【詩】にんげんの森

<にんげんの森>


紳士の右手に光る凶器
澄ました顔で交尾を強制し
爽やかな笑みを湛えて蹴落とす

お猿さんはとっくに卒業しました
綺麗なお洋服を脱いで晒す裸体の
毛だらけなのはオマージュですし

鐘を鳴らした人もいたけれど
粘着質な黒い楽しみに浸り過ぎ
見ないふりして見えないふりして

空の天辺まで輝くビルディンング
見失うくらい高速で走れる自動車
何でも入っているコンピューター

扱いきれない欲望に圧し潰されて
いつか返り討ちに遭ったあとには
文明の鎧を剥ぎ取られた無惨な姿

傷付き疲れ果て病みきった挙句
休息と修復を求めて原点へ
僕らは森へ帰るだろう

しっとりした土には柔らかな下草
揺れる陽光が枝々の模様を投影し
緩やかに流れる水面を滑る落ち葉

血を垂らしながら足を引き摺り
肩を支え合って歩いていく
森は静かに待っている


(詩/早乙女ボブ)

【詩】土足

<土足>


玄関の中へ入る前に

まずベルを鳴らしてください

扉をこじ開けるのは泥棒ぐらいです

部屋に上がる前に

まず靴を脱いでください

深く付いた傷と汚れは落ちないのです

それなのにあなたは

知らない顔をして土足で床を軋ませる

ほら見てください

絨毯が泥だらけになってしまいました

そもそも連絡もしないで家に来るとは

わたしとあなたは友人でもないはずで

しかしどうやら

あなたはわたしを友人だと思っている

ただただ戸惑うばかりなのですが

壊した鍵は弁償してもらいますね


(詩/早乙女ボブ)